こんな体臭は病気のサインかも？病気特有の体臭に要注意！

「体臭はどこからくるの？臭いの種類と原因」の4つ目の項目で糖質制限ダイエットによって起こる「ケトン臭」についてご紹介しましたが、このケトン臭は実は糖尿病でも発生します。糖尿病というのはインシュリンの分泌量が減って働きが悪くなった状態であるため、血糖値がうまくコントロールされなくなるほか、脂肪を分解した際に発生するケトン体の排出にも問題が生じます。その結果、余ったケトン体が血液に混じって全身をめぐり、口臭や体臭となってケトン体特有の甘酸っぱい臭いを発するようになるのです。

糖尿病はなかなか自分では気づきにくい病気であると言われますが、放置しておくと腎臓や神経の障害、網膜症などの合併症を引き起こす恐れもあるので、臭いに気づいたら一度医師の診断を受けてみるといいでしょう。

腎臓は送り込まれてきた血液中の毒素や老廃物をろ過して取り除くという役割を果たしている器官です。腎臓の機能が低下すると毒素の濃度が高い血液が体内をめぐることとなり、その一部分が汗となって分泌されます。本来尿となって排泄されるはずの毒素や不純物が汗となって出るとどうなるかというと、汗が尿のような臭いになってしまいます。

腎機能の低下によって体臭に変化が生じるのは腎機能の低下がかなり進んでからと言われているため、すでに腎不全や尿毒症を発症してしまっている可能性もあります。腎臓の病気も糖尿病と同様なかなか自覚症状が表れにくい病気ですが、こうしたサインを見逃さず、少しでも気になったら一度病院に行ってみるようにしましょう。

体臭が生臭いと感じたら、肺または大腸に問題があるかもしれません。肺と生臭さというのは少し結びつきにくい感じがしますが、これは乳製品や肉、魚などの動物性脂質を消化したときに発生する腐敗物質がリンパ管に溜まっていることが原因で起こります。リンパ管は、消化管で吸収された脂質や老廃物、死んだ細胞などを運ぶための場所なのですが、動物性脂質はそこで詰まることが多く、詰まった状態を放置しておくと細菌が発生して生臭い臭いを発するようになります。

このリンパ管は肺や大腸に集中しているため、例えば肺のリンパ管が詰まってしまうと、喘息や気管支炎、鼻炎といった呼吸器系の疾患を発症します。この詰まりを解消するには、大根や長ネギ、生姜などを食べて呼吸器の活動を促す、あるいはリンパ管を掃除してくれるというきのこ類を摂るといった対策が有効であると言われています。

肝臓の働きには、食べたものをエネルギーに変える、不要なものを排泄する胆汁を生成する、体内の有害な物質を解毒する、といった非常に重要な働きがいくつもありますが、この機能が低下すると食べたものの臭い物質が分解されずにそのまま血液に取り込まれて汗として排出されます。するとドブやカビのような臭い、あるいは排水溝や雑巾のような臭いを身体から発するようになり、さらに状況が悪化するとアンモニア臭を発するようになると言われています。

体臭の他にも、肝機能が低下することで疲れやすくなったり、食欲が減退したり、あるいは白目の部分に黄疸が出たりするなどの症状も表れます。体臭と合わせてこういった症状が出た場合には沈黙の臓器と言われる肝臓がかなり悪化している可能性が高いため、必ず医師の診断を受けるようにしましょう。

胃腸の役割は食べたものの消化ですよね。この機能が何らかの理由によって低下すると、食べたものがそのまま胃や腸に残り、発酵します。そうすると腐敗臭が発生し、その臭い物質が血液に取り込まれて汗として出て来ます。卵が腐ったような臭いが体臭に混ざっている場合は、胃腸が悪くなっていると考えたほうがいいかもしれません。

この状況で考えられる病気には胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などがあり、この独特の臭いが腸に問題がある場合には体臭として表れ、胃が悪い場合には体臭だけでなく口臭にも混じると言われています。いずれも進行してくると患部に痛みを伴うようになるため、そういった場合はすぐに病院で一度検査してもらうといいでしょう。